先日、久しぶりに近所のマクドナルドで心がほっこりする出来事があった。
集まったのは、みーちゃんと、通園施設時代から高校までずっと一緒だった男の子とそのお母さん。
それに、私と姉を加えた5人。
この男の子、なんと「作業所で工賃が入ったから、みーちゃんにごちそうしたい」と言ってくれたのだ。
その一言だけで、母として胸がキュンとする。なんてかわいらしい優しさ。
発語はなくても、ちゃんと通じる気持ち
彼は発語はないけれど、言葉の意味は理解していて、PECS(絵カード)を使って意思表示もできる。
知的な理解度は、みーちゃんよりもしっかりしている印象。
「ごちそうする」という気持ちを自分の言葉で伝えられない中でも、行動で表してくれる。
その想いの強さは、言葉以上のものがあった。
注文も自分のペースで
マクドナルドでは、「現金で支払いしたい」と本人の希望があり、モバイルオーダーではなくカウンター注文に。
選んだメニューを指さし、隣でお母さんが言葉にして伝える。
まさに“協力して注文する”という、自然な連携がそこにあった。
商品を受け取り、席について食事スタート。
2人とも、黙々と、実にマイペース(笑)
他の3人は会話しながらなので、当然食べるペースはゆっくり。
さっさと食べ終えた2人は、手を合わせて「ごちそうさま」のサイン。
・・・いや、早い早い!(笑)
まだこっちはポテトの途中だよ〜。
笑顔の「ありがとう」がすべて
「せめてもう少し座っててね」と声をかけながら、私はふと言った。
「みーちゃん、“ありがとう”言おうか。」
その瞬間、隣同士に座っていた2人が、ふっと顔を見合わせ、ニコッと微笑んだ。
えっ…!?
みーちゃん、そんな笑顔、家で見たことない。
びっくりするほど自然で、あたたかくて、うれしくて――
思わず写真に収めようとカメラを構えたけど、シャッターを切る前に笑顔はすっと消えてしまった。
でも、私の中には、しっかり残ってる。
みーちゃんは、言葉がなくてもちゃんと人とつながってる。
外の世界でも、みーちゃんはみーちゃんなりに生きている。
母として、それを見られたことが、何よりの喜びだった。
ほんの30分。でも、宝物のような時間
店にいたのは、たった30分くらいだったけれど、
その短い時間の中で、娘の成長と、大切なつながりの深さを感じられた。
言葉がなくても、笑顔がある。
言葉がなくても、優しさがある。
そんな一日を過ごせて、母は本当に幸せだった。