22歳の今

【発語なし・自閉症】笑顔に隠されたサインを見逃さない

発語がなくても、伝える力はある

笑顔のサインを見逃さないように

日曜日、家族で久しぶりに外食をした。
向かったのは、みーちゃんが大好きなスープバーのあるファミリーレストラン。

みーちゃんはとにかく水分摂取量が多い。
だから、食事を終えるとすぐにトイレに行きたくなることが多い。

「ごちそうさま」の合図(手を合わせるジェスチャー)が自発的に使えるようになったのは、5年ほど前から。
この合図が出たら、まだ私が食事中でも、コーヒーを飲んでいる途中でも、すぐにトイレに連れて行くようにしている。
(自発的要求が少ない子が要求した時には、すぐに応えてください――昔PECSの療育でそう教わった)

この日も、みーちゃんが食べ終わると「ごちそうさま」のサイン。
すぐにトイレに連れて行った。

……が、席に戻ってくると、また「ごちそうさま」の合図。
何度も手を合わせて、こちらを見てくる。しかも、笑顔で。

「さっきトイレ行ったばかりなのに。もう外に出たいのかな?」

そう思って声をかけたが、今日はいつもの“安心グッズ”も取り出さない。
ずっと笑顔のまま、手を合わせ続けている。

これは……何か他の要求かも?
とっさに「もしかして、便意かもしれない」とひらめいた。

隣にいた長女に伝えると、
「え?便意ある時にそんな笑顔する?外に出たいだけじゃないの?」と半信半疑ながらも
「じゃあ私が連れて行ってみる」と、再び付き添ってくれた。

みーちゃんは基本的に、外では排便できないタイプ
自宅まで我慢することが多い。

ただ、どうしても我慢できない時――
たとえば下痢のときなど――は、外でもできる。

しばらくして戻ってきたみーちゃんは、とても嬉しそうな表情だった。
長女いわく、「便座に座った瞬間に出た」とのこと。

「笑顔で便意を伝えるなんて、普通できないよね。
私だったら絶対ムリ。笑ってるから余裕があるのかと思ったけど、そうじゃないんだね。
すごく勉強になったよ。」

彼女は特別支援学校の教員免許を持っているけれど、実体験の重みはやっぱり別格だったようだ。


発語がないみーちゃんのサインは、ほんとうに小さい。
見逃してしまいそうなものばかり。

でも、だからこそ見逃さないように。
丁寧に、静かに、ちゃんと受け止めたい。

そうすれば、きっとまた次のサインを出してくれる。
その時は、どんなサインでも――

よし、来い!みーちゃん!
(※ただし、夜中3時にドライブ要求は勘弁してね笑)

ABOUT ME
よかてん
はじめまして。「よかてん」と申します。 発語のない重度知的障がいを伴う自閉症の娘「みーちゃん」との日々をブログに記録しています。 発達がとてもゆっくりだった娘も、今では22歳になりました。 このブログでは、療育や生活の工夫、家族の関わりなど、実体験をもとに書いています。 同じような状況の方や、関心を持ってくださる方の参考になれば幸いです。 わたくしごとですが、2025年、シングルマザーになりました。 障がいがある娘を連れての離婚についても書いていきます。 ご意見・ご感想などございましたら、[お問い合わせフォーム]よりお気軽にご連絡ください。