自閉症の娘を育ててきた22年間。
これまでに、支援者や親せき、友人、時には見知らぬ人から、いろんな質問を受けてきました。
悪意がないものも多いけれど、正直モヤっとすることも。
今回は、そんな「よくある質問」に本音で答えてみます。
これから子育てを始める人や、関わりのある方にとって、少しでも参考になれば嬉しいです。
Q1. 発語はまったくないの?
A. 「バイバイ」だけは言える。言うタイミングは合ってる時もあれば違う時も・・・。でも意思表示は最近になってやっとわかりやすくなりました。
バイバイ以外の言葉はない。でも表情を見ればしっかりと気持ちは伝わります。
「しゃべれない=伝えられない」ではない。言葉が出なくても、伝える力はちゃんと持っていると思います。
Q2. どうやって意思疎通してるの?
A. 表情と行動で今何を要求しているのか、何がしたいのかを支援者が読み取ってます。
その日の体調や気分でも伝え方は変わるので、「いつも通り」が通じないこともあります。
毎日一緒に過ごしているからこそ、細かい変化にも気づけるようになります。
Q3. 将来、どうするつもり?
A. 不安はあります。でも今を大事にして生きてます。
将来のことを考えたら、正直言って不安だらけ。
でも不安に飲まれたら今を見失ってしまうから、できるだけ後ろ向きには考えないように修行してます(笑)。私は推しがいないので、推しに元気を分けてもらえる人がとても羨ましいです。
いま目の前で笑ってくれている娘のために、今日やれることを重ねていくしかない。
Q4. 家族旅行とか行けるの?
A. 行けるけど、事前準備が命。
音、待ち時間、混雑……気になる要素はたくさんある。行く限りは楽しみたいから、周囲の人に迷惑掛けない、人が少ない場所を選びがち。
綿密な準備と“無理しない予定”さえあれば、楽しめることもある。
1回行けたときの達成感はすごい。
Q5. 自閉症って“かわいそう”なの?
A. そう思われるのが一番つらい。
違いがあるだけで、不幸ではない。
娘は娘なりに楽しんでいるし、豊かな感情もある。
「かわいそう」と決めつけられると、その子の人生を狭めるような気がしてしまう。
かわいそうではなく、“どう関わっていけるか”を一緒に考えてほしい。
本音で答えるのは、少し勇気がいる。
でも、同じように悩んでいる人や、これから誰かと関わる立場の人にとって、少しでも「気づき」や「ヒント」になればと思って書きました。。
わからないことは、遠慮せず聞いてもらえた方が嬉しいです。
“理解しようとする気持ち”に心が暖かくなります。