認知症・要介護3・母の介護日記

【認知症】特養の現実 ― ケアマネから聞いた“本当に知っておくべきこと”

徘徊が続き、在宅での見守り体制に限界を感じ始めた頃、
ケアマネジャーから「特養(特別養護老人ホーム)」についての電話がありました。

そこで聞いた内容は、
私が想像していたものよりもずっと現実的で、
特養を検討するうえで必要な情報ばかりでした。

今日は、その話を整理してまとめます。


評判の良い特養から「順番待ちで申し込みますか?」と連絡があった

ケアマネさんによると、地域で評判の良い特養があり、
「順番待ちの申し込み」 をしておくか確認がありました。

しかし、現状は 80組待ち
もちろん何年かかるかはわかりません。

● ただし、これは“仮の順番”

特養は番号順ではなく、
状態・生活状況・家族の介護力 などを総合的に判断して優先順位がつきます。

  • 認知症が進んだ
  • 転倒が増えた
  • 一人暮らしが難しくなった
  • 医療ニーズが高まった

こうした変化があると、
仮の順位が突然上がることもある そうです。


母の現状では、すぐの入所は難しい

母は要介護3で、
見守りが必要な場面は増えつつありますが、
まだ「一人暮らしで生活できている」状態です。

そのためケアマネさんからは、

「現段階では優先順位が低く、
順番待ちすらできない可能性もあります」

と説明がありました。

能力的には入所ラインに届いていても、
“緊急性がない” と判断されれば後回しになるとのことでした。


特養の現実:職員不足で「自室中心の生活」になりがち

ケアマネさんが強調した点がここでした。

特養は今、
職員不足が深刻な問題 になっています。

● その結果、施設で起きていること

  • 入居者を 自室で過ごさせる時間が長くなる
  • 談話室や共有スペースに行く自由は少ない
  • 転倒事故を避けるため、行動範囲が制限される
  • 職員が見守れない状況は避けなければならない
     → 転倒は施設側の責任問題につながるため

つまり、
“安全を守るために自由を制限せざるを得ない”
というのが現場の実情だそうです。

● その結果

  • 刺激が少ない
  • 会話が減る
  • 活動量が落ちる
  • 身体の衰えが早く進みやすい

ケアマネさんは
「ここは覚悟して入居を考えてください」
と丁寧に伝えてくれました。


とりあえず「順番待ちの書類」は提出

現段階では入所が難しくても、
書類を出しておけば、候補として残り続けるとのこと。

評判の良い特養なので、
候補を確保しておくこと自体に意味があります。


費用の現実:特養に入っても“家計問題は終わらない”

母の年金額で基本料金はギリギリ支払えます。
しかし、これはあくまで基本の話。

● 必ず発生する実費

  • 医療費
  • 薬代
  • 理美容
  • おやつ代・日用品
  • 各種加算

特養に入っても、
年金だけで全てが賄えるとは限らず、赤字になるケースもある
と説明がありました。

さらに——

● 特養入所中に入院した場合の負担

  • 特養の自己負担
  • 入院中の医療費
  • 入院の生活準備費

特養+入院費が同時にかかる可能性があります。

「特養に入れば生活費が解決する」というイメージは、
現場の話を聞くと違うことがわかりました。


施設選びの参考になる口コミサイト

特養の入所を検討する際は、
口コミや公式データを見ておくと安心です。

● 介護の評判サイト

全国の特養について、実際に利用した家族の口コミが多数掲載されています。
施設の雰囲気・職員の対応・入居者の生活の様子など、
公式ではわからない“リアルな部分” を知ることができます。
比較しやすく、見学前の情報収集に適しています。

👉 https://kaigonohyouban.com/


まとめ

ケアマネさんとの電話で感じたのは、
特養は「安心」と「現実」が同時に存在する場所だということです。

  • 夜間も含めて見守りがある安心
  • 一人で過ごす不安が減る
    しかしその一方で、
  • 自室中心の生活
  • 入所までの長い待ち時間
  • 費用負担の継続
    という現実があります。

だからこそ、
早めに候補を探し、情報を集めておくことが何よりの支え
になると感じました。

とりあえず書類は提出し、
今後の変化を見ながら次のステップを考えていきます。


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ABOUT ME
よかてん
要介護3の母の在宅介護と 発語のない最重度知的障がいの自閉症の娘(みーちゃん:22歳)の支援をしながら暮らす、シングルマザーです。 在宅介護と障がいのある子どもの支援は、日々予想できない出来事の連続です。 母の徘徊、通所の不安定さ、急な休み、家事との両立、制度の複雑さ…… その中で私自身が実際に困ったこと、助けられたこと、工夫して乗り越えてきたことを記録し、同じ悩みを抱える方の助けになればと思い、このブログを始めました。 このブログが、だれかの「今日の悩み」を少しでも軽くし、 安心して介護や育児に向き合えるきっかけになれば幸いです。 お問い合わせやご相談があれば、どうぞお気軽にご連絡ください。