発語なし自閉症・みーちゃんの日常

【自閉症】発語なし・病院拒否のみーちゃんが急病になったら、どう対応するのか

――受診困難な子どもの医療アクセスと、わが家の現実的な動線

みーちゃんは、建物の構造や感覚刺激の影響で 受診できる医療機関が限られています
前回の記事では、みーちゃんが
歯科だけ診察できて、クリニックは全滅。大学病院なら入れる理由と、耳鼻科が難しい現実
についてまとめました。
👉 前回の記事はこちら: 発語なし・重度の娘みーちゃんは歯科だけ診察できる|クリニックは全滅、大学病院なら入れる理由と耳鼻科が難しい現実

今回は、その続きとして、
急病時にどう動く予定なのか を、訪問診療・相談支援との連携を踏まえて整理します。

現在、急病での受診経験はありませんが、
今の支援体制の中で最も現実的な動線をまとめました。


みーちゃんの医療アクセスの特徴

まず大前提として、みーちゃんは “入れる建物” と “入れない建物” の差が極めて大きいです。

■ 入れる場所

  • 大学病院のように広くて明るい建物
  • 刺激が少ない障害者歯科のような環境

■ ほぼ入れない場所

  • 地域の耳鼻科・内科・外科など一般的なクリニック
  • 待合室が狭い、照明が暗い、匂いが強い場所
  • 器具が視界に入りやすい診察室

「入ること自体が難しい」ため、
そもそも診察以前の段階でつまずいてしまいます。


主治医が必要になる理由(18歳以降)

みーちゃんは成人しています。

18歳以降は、障害福祉サービスの利用に
主治医意見書(区分認定に必須) が必要になります。

そのため、

  • 生活介護
  • 訪問看護
  • 重度訪問介護
  • 日中活動の支援

これらを継続するには、医療とのつながりを切らさないことが不可欠です。

しかしクリニックに入れないため、
現在は 訪問診療(月2回) を主治医として継続しています。

薬の処方も、必要な範囲で訪問診療が対応してくれています。


わが家が急病時に「対応する予定の動線

現時点では急病での受診経験はありませんが、
支援者や医師との相談をもとにした、最も現実的な動線は以下の通りです。


① まず訪問診療の先生に連絡

症状・状況を伝え、

  • 往診可能か
  • 自宅で様子を見られるか
  • 対応の優先度

について判断してもらいます。

訪問診療は、受診困難な家庭にとって
最初の安全網 です。


② 往診が不可、または医師が「病院受診が必要」と判断した場合

この場合、私一人での受診は現実的ではありません。

ここから支援体制が必要になります。


③ 受診には複数名の同行が必要になる

みーちゃんは

  • 病院建物に入れない
  • パニックで大きく動いてしまう可能性がある
    ため、数名で安全を確保する必要があります。

先日、相談支援専門員と通院の話になった際、

「どうしても早急に受診が必要なときは、
 数人がかりでの同行が必要になることがあります。
 力が必要なら協力します。」

と言っていただきました。

これは、受診困難な家庭にとって非常に心強い支援です。


④ 受診可能な病院は事前に相談支援に確認

地域には、受診困難な人を一定程度受け入れてくれる病院があります。

  • 障害者支援に理解のある病院
  • 生活介護事業所が提携している医療機関
  • 大規模で環境刺激が少ない病院

相談支援はこうした情報を持っているため、
“行ける可能性のある病院を事前に把握しておく” ことが重要です。


⑤ 外科的な怪我など、更に受診の必要性が高い場合は電話で確認

直接向かう前に、必ず病院へ電話をします。

▼ 電話で伝える内容

  • 発語なし・重度自閉症で、受診が難しいこと
  • 建物に入れない可能性があること
  • 数名で同行する必要があること
  • 診察が可能かどうか

事前確認を行わないと、
現地で診察を断られ二重に負担がかかることがあります。


相談支援との協働で分かったこと

通院困難な子どもを支えるには、
“家族だけで抱えない” ことが大切 です。

相談支援は、

  • 緊急時の動き方
  • 受診可能な病院の情報
  • 必要時の人員確保
    など、家庭だけでは難しい部分を補ってくれます。

私自身、「いざというときは一緒に動く」と言ってもらえたことで、
大きな安心感を得ました。


わが家の急病時対応まとめ

急病や怪我のとき、わが家は次の流れで対応しようと思います。

  1. 訪問診療の先生に連絡
  2. 医師の判断(往診 or 受診)
  3. 必要な場合は相談支援・事業所スタッフと連携し複数名で同行体制を組む
  4. 事前に受診可能な病院へ電話
  5. 安全を最優先に移動

一般的な受診の流れとは異なりますが、
これがわが家にとって最も現実的で、安全に医療につながる方法です。


同じ悩みを持つご家庭へ

「急病のとき、どうすればいいのか」
この不安は、受診が難しい子どもを育てている家庭に共通する悩みだと思います。

しかし、

  • 訪問診療
  • 相談支援
  • 福祉サービス
  • 地域の医療機関
    がつながることで、“ひとりで抱え込まない受診体制” を作ることができます。

よかてんの独り言:「通院」「病院」と聞くだけで頭痛くなります(泣)

関連記事

ABOUT ME
よかてん
要介護3の母の在宅介護と 発語のない最重度知的障がいの自閉症の娘(みーちゃん:22歳)の支援をしながら暮らす、シングルマザーです。 在宅介護と障がいのある子どもの支援は、日々予想できない出来事の連続です。 母の徘徊、通所の不安定さ、急な休み、家事との両立、制度の複雑さ…… その中で私自身が実際に困ったこと、助けられたこと、工夫して乗り越えてきたことを記録し、同じ悩みを抱える方の助けになればと思い、このブログを始めました。 このブログが、だれかの「今日の悩み」を少しでも軽くし、 安心して介護や育児に向き合えるきっかけになれば幸いです。 お問い合わせやご相談があれば、どうぞお気軽にご連絡ください。