【障がい児とシングル母の仕事】働きたくても働けない3つの理由|構造的な問題を実体験で解説
「働きたい」「でも働けない」
障がい児を育てるシングルマザーなら、この二つの気持ちの間で揺れ続けた経験があるのではないでしょうか。
この記事では、なぜ障がい児の母は働きにくいのか、その構造的な理由を私自身の実体験とともに整理します。母親の努力の問題ではなく、仕組みの問題だということを、同じ状況の方に届けたくて書きました。
理由① 子どもを一人にできない
障がい児育児では、年齢が大きくなっても留守番が危険に直結するケースが多くあります。
- 火を使う
- 包丁を触る
- 家の中で予想外の行動に出る
- 外に出てしまう可能性がある
これらは「しつけ」や「ルール」の問題ではなく、発達特性からくる行動のリスクです。
わが家でも一度だけ、仕事が休めなくて1時間だけ留守番を試みたことがありました。
帰宅すると、みーちゃんは包丁とまな板を出し、きゅうりを切り、その包丁を舐めていました。
子ども用の包丁だったから良かったものの、普通の包丁だったらと想像すると背筋が凍ります。この経験から、「一人での留守番は絶対に無理」と判断せざるを得ませんでした。
それ以来、みーちゃんが通所中の時間だけが、私が動ける時間のすべてです。
理由② 通所できるかどうかが「朝にならないとわからない」
障がいのある子どもは、体調・気分・感覚の過敏さ・睡眠の質などで、当日に急に通所できない日が出ます。
無理やり通所させれば、そのストレスが積み重なって通所拒否の再発につながる可能性もあります。
実際、過去に通所拒否が起きた時期は、私も同時に仕事を続けられなくなりました。
「今日行けるかどうか」が当日の朝にならないとわからない。その状態で、仕事のシフトを組むことは現実的ではありません。
理由③ 当日欠勤・急な時間変更に対応できる職場が少ない
一般的な職場は、当日欠勤や急な時間変更に対応できないことがほとんどです。
母親自身も「迷惑をかけたくない」と追い詰められ、長く働くことが難しくなります。シングル母にとって収入は必要なのに働けないというジレンマが続きます。
選べる仕事は自然と、単発・在宅・フリーランス・介護職など、融通がきくものに限られていきます。
相談支援員さんも「昔は放デイがなく、母親が仕事に出られない家庭が多かった」と話していました。制度は整ってきていますが、状況が大きく変わったわけではありません。
働けないのは、母親のせいではない
ここまで並べてきた通り、障がい児育児と仕事の両立は、母親の努力不足や気持ちの弱さではなく、構造的に無理がある状態です。
「もっと頑張れば働けるはず」という言葉が一番しんどい。でも、その言葉を自分自身にも向けてしまうことがあります。
だからこそ、「これは仕組みの問題だ」と整理することが、自分を追い詰めないために必要だと思っています。
まとめ
- 障がい児の母は「働きたい」気持ちがあっても働けない構造がある
- 留守番は危険が伴い、一人にできないケースが多い(実体験あり)
- 通所は当日の体調・気分に左右され、シフトを組みにくい
- 当日欠勤が多く、一般的な職場では継続が難しい
- 選べる仕事は単発・在宅・フリーランス・介護職などに限られる
- 母親の努力不足ではなく、生活の構造による問題
同じ悩みを持つお母さんに「ひとりじゃない」と届けば幸いです。
よかてんのひとりごと
きゅうりを切って包丁を舐めていたみーちゃん、本人はまったく悪いことをしたとは思っていない顔でした。
あの瞬間の「あ、これは無理だ」という確信は、今でも鮮明に覚えています。でも笑えるようになってきたのは、その経験を誰かに話せるようになってきたからかな、と思っています。