母の様子に「あれ?」と思うことが増えてきたのは、この頃でした。
ちょっとした物忘れや、気持ちの浮き沈み。
「年齢のせいかな」と思えばそう見えるし、「もしかして…」と感じる瞬間もある。
今回は、母に現れ始めた初期の変化を、私自身の視点でまとめました。
◆ 1. 何度も同じ内容の電話がかかってくるようになった
ある頃から、母が頻繁に電話をかけてくるようになりました。
「さっき電話してきたけど、何か用事?」←私は電話してません
同じ内容の電話がが数回も続く日がでてきたので、違和感が大きくなっていきました。
◆ 2. 印鑑・通帳の置き場所を忘れ、見つけては別の場所に隠してしまう
貴重品の所在がわからなくなることが増えました。
見つけたら今度は別の場所にしまい、その場所をまた忘れてしまう。
探し物にかける時間が長くなり、私が訪問する頻度も自然と増えていきました。
◆ 3. 食事は簡単なものなら自分で作れていた
当時の母は、ヘルパーさんの調理支援が週3回。
それ以外の食事は、自分で簡単なものを用意していましたし、自転車で買い物にも行けていました。
ただ、食パンをトースターに入れたまま焼き忘れていたり、レンジで温めたものを出し忘れてるなどが、ささいな違和感として積み重なっていきました。
◆ 4. 外科クリニックへは問題なく通院していた
介護認定が必要な時から、膝と腰が悪いため、近所の外科に通っていました。
母の主治医ですが、その時はまだ認知症の相談はまだしていませんでした。
◆ 5. 怒りっぽさが増え、愚痴も多くなった
もともと気の強い母ではありますが、この頃から 怒りっぽさが目立つように なりました。
私にもみーちゃんにも小言が増え、ヘルパーさんに強く当たってしまうことも。
後で申し送りノートを通じてお詫びしたところ、
「大丈夫ですよ、まったく気にしていないのでご安心ください」
と返してくださり、介護職のプロとしてのの対応に救われました。
◆ 6. 会話がかみ合わないことが徐々に増えていった
話している途中で内容が変わったり、何度説明しても理解が追いつかないことが増えていきました。
時間帯による差は感じられませんでしたが、夕方しか母宅へ行けなかった私は、朝の状態が把握できず、どこまで変化しているのか掴みにくかったのを覚えています。
◆ 7. 認知症の症状は「波」を繰り返しながら進んでいった
母の変化は、ある日突然ではなく、波がありながら進んでいった という印象でした。
穏やかで落ち着いている時期もあれば、怒りっぽく感情が不安定な時期もあり、
その波を行ったり来たりしながら、少しずつ認知面の不調が積み重なっていったように思います。
すでに要介護1の認定は受けていましたが、今振り返るとこの“波”の中に、確かに認知症のサインが混じっていたのだと感じます。
おわりに
今回まとめたのは、母に現れた“初期の変化”です。
どれも日常の中では見逃しがちな小さなサインですが、積み重なると「何かがおかしい」と確信に近づいていきました。
ご家族の変化に不安を感じている方の参考になれば嬉しいです。
よかてんのひとりごと
もともとかなり気が強く、つい最近まで私に文句ばかり言っていた母ですが、
要介護3になり会話もほとんど通じなくなり、私の名前も時々迷子になる今のほうが、なぜか一番おだやかに過ごしています。
「文句というエネルギーを使い果たしたのかな…?」と思ってしまうこともあります。
寂しさもありますが、こういう静かな時間の流れ方もあるのだなと感じています。
