母が要介護2の頃、認知が進み、入浴まわりの危険が増えていました。
「ひとりでお風呂に入るのは危ないから、ヘルパーさんがいるときにね」と何度伝えても、
母は“まだ自分でできる”という気持ちが強く、勝手に入浴してしまう日が続いていました。
ある日、浴槽には入れたものの、今度は自分では立ち上がれず、浴槽から出られなくなる出来事がありました。
この一件で、「もし浴室で転倒したら…」「ひとり暮らしでは命に関わる」と、危険性を強く実感。
すでに玄関や廊下には介護保険を使って手すりを設置しており、
残っていた住宅改修の枠の中で、浴室の安全対策を最優先に行うことに決めました。
介護保険で使える住宅改修の金額について
浴室改修を進める前に、ケアマネさんと
介護保険の住宅改修で使える金額を確認しました。
■ 利用できる上限
- 生涯 20万円まで(全国共通)
- 自己負担は 1〜3割(一般的には1割)
この枠は
- 玄関の手すり
- 廊下の手すり
で一部利用済みだったため、
残りの金額の範囲で浴室改修を行うことになりました。
■ 住宅改修で利用できる内容
- 手すり取り付け
- すべり防止(床材変更・滑り止め施工)
- 段差解消
- 開き戸→引き戸への変更
- 和式→洋式トイレへの変更
- 踏み台設置 など
改修には 工事前の申請が必須で、写真撮影や書類作成はケアマネさんから紹介された福祉用品業者さんが、改修が終了するまでサポートしてくれました。
介護保険の住宅改修で実際に行った浴室の安全対策
1. 床の滑り止め施工
浴室で最も危険なのは「濡れた床(母宅はタイル)」と「ステンレス浴槽(底が滑る)」です。
母は入浴中にバランスを崩すことが多かったため、まずは床の全面に滑り止めを施工してもらいました。
効果
- 足が滑らなくなり、転倒の不安が大幅に減った
- 立ち上がるときの踏ん張りが効きやすくなった
- 介助するときも支えやすく、安全性が向上
この施工により、住宅改修の 20万円の枠をほぼ使い切った形になります。
2. 浴室手すり(1か所のみ設置)
本来は2か所(出入口付近と浴槽のそば)が理想ですが、
住宅改修の残り予算の都合で、1か所のみの設置になりました。
最低限の安全確保ができる位置を業者さんと相談し、
「浴槽から上がる時につかまる手すり」を優先しました。
効果
- つかまる場所があるだけで、一人でも何とか浴槽から出られる
- 入浴動作の不安が大きく軽減
- ひとりで入ってしまったときでも、転倒リスクが下がる
浴室イス(シャワーチェア)は実費購入
浴槽から立ち上がる際、足が上がらないため、
介助なしでも浴槽から上がれる用に シャワーチェア(浴室イス・背もたれなし) を追加で購入しました。
イスは
- 身体を洗うときに座れる
- 浴槽から出るときの“踏み台”になる
- 疲れたときの休憩場所になる
など、入浴時の安全に大きく役立ちますが、母の場合は浴槽の中に固定しています。
ただし、母が必要だったタイプは 介護保険(特定福祉用具購入)の対象外 だったため、
このイスは 実費で購入しました。
私は業者さんから購入しましたが、Amazonでも販売していて、コスパ良さそうです。
(PR)似ているタイプのシャワーチェア
高さ調節できるものがおすすめ。
滑り止めマットも、このお値段ならありですね。(業者さんは接着剤で固定してくれるの安心ではあります)
費用について(記憶ベース)
浴室床の滑り止め施工と手すり1か所の設置で、
住宅改修の20万円の枠をほぼ使い切りました。
自己負担は1割で、
およそ2万円ほど だったと記憶しています。
シャワーチェアは別途、実費で購入しています。
「これだけの工事をしてもらって、この負担で済むなら、本当にやってよかった」
と感じたのを覚えています。
工事後に感じた変化
- 転倒不安が大幅に減った
- 一人暮らしでも安心感が上がった
- 入浴中にふらついたとき、壁につかまれるだけで安定する
- 介助側としても動作がしやすく負担が減った
- 「もっと早くやっておけばよかった」と素直に思った
浴室改修は、予想以上に生活の安全度を変えてくれました。
まとめ
介護保険の住宅改修は、
費用以上に「安心」を得られる制度だと実感しています。
ひとり暮らしの親を支えている方は、
「今はまだ大丈夫」と思っていても、
早めの住宅改修を検討する価値があると思います。
✨あとがき
浴室改修工事をしたあと、母はしばらくその環境で入浴していましたが、
約2か月ほど経った頃から認知がさらに進み、一人での入浴が難しくなってしまいました。
今は安全を最優先し、入浴はデイサービスのみ としています。
母の家は築50年の木造で、老朽化もかなり進んでいます。
母が特養へ入所したあとは、家自体を解体する予定です。
「結果だけ見れば、浴室の改修工事はもったいなかったのかもしれない」
そう思う瞬間もあります。
それでも、当時の母には “まだ家で生活を続けたい” という強い思いがありました。
危険を減らし、少しでも安全に過ごしてもらうために
あのタイミングで改修した判断は、今でも間違っていなかったと思っています。
