認知症の親の成年後見⑨。後見人に選ばれたあと最初にやること。財産目録・収支予定表の準備を始めました
母の成年後見人に、私が選任されました。
ただ、審判書が届いた日からすぐに正式な後見人になるわけではなく、私の場合は、2026年7月4日が審判確定日でした。
そして、初回報告の提出期限は2026年8月4日。
つまり、正式に就任してから約1か月以内に、母の財産や収支を整理して、家庭裁判所へ報告しなければいけません。
この記事では、初回報告で何を提出するのか、どんな資料を集めればいいのかを、私の実例をまじえて書いていきます。
同じように後見人に選ばれた方の参考になればうれしいです。
「後見人に選ばれたら、これで一段落」と思っていた部分もありました。
でも実際には、ここからが本番のようです💦
後見人に選ばれたあと、最初にやることは初回報告の準備
私に届いた案内では、審判が確定したあと、母の財産を調べて初回報告を提出することになっています。
必要になる書類は、主に次のようなものです。
- 後見等事務報告書
- 財産目録
- 相続財産目録(母が相続人になっている遺産がある場合のみ)
- 収支予定表
- 通帳や保険、不動産、年金、支出などを確認できる資料
裁判所のサイトにも、成年後見人・保佐人・補助人の報告書式が掲載されています。
ただし、実際に何を出すかは、家庭裁判所や本人の状況によって違うと思います。
なので、私は自分に届いた書類を優先して確認しながら進めています。
初回報告に必要な資料|まず集めるものリスト
初回報告のために、まずは母のお金の流れを確認する必要があります。
私が集めようと思っているものは、次のようなものです。
- 母名義の通帳
- 年金が入っている口座の記録
- 介護サービスの利用料が分かるもの
- 宅配弁当など、毎月かかっている生活費の記録
- 医療費や薬代の領収書
- 固定資産税など、母の家に関する書類
- 保険があれば、保険証券や通知書
- 借入や未払いがないか分かるもの
今までも母の生活費や介護費は見てきました。
でも、家庭裁判所に提出するとなると、感覚ではなく、資料で確認できる形にしなければいけません。
「だいたいこれくらい」ではなく、「通帳ではこうなっている」「領収書ではこうなっている」と整理する必要があります。
財産目録は、母の財産を一覧にする書類
財産目録は、母にどんな財産があるのかを整理する書類です。
預貯金、不動産、保険、現金、負債などを確認して書いていきます。
ちなみに、大きな財産の調査は、申立てのときに一度やっています。
なので初回報告では、申立時の財産目録をもとに、通帳を記帳して最新の残高に更新するのが中心です。
正直、申立てのときより簡単だと感じています。
ただ、ひとつ大事なことがあります。
初回報告では、申立てのときの財産目録と比べて、変わったところを説明する形になっています。
つまり裁判所が見ているのは、残高そのものよりも、「申立てから今までのお金の増減が、きちんと説明できるか」なのだと思います。
私の場合は、毎月の生活費の引き出しなどで残高が動いているので、大きめの出金には「◯月分の生活費」とメモを付けながら整理しています。
私の場合、母には自宅があります。
もともと成年後見の申立てをしたきっかけも、母の自宅売却の問題でした。
母を私の近くに呼びたい。でも、母名義の持ち家があると団地に入れない。
そのため、いずれ母の家をどうするのかを考えなければいけません。
ただ、後見人になったからといって、母の家を自由に売ったり、私名義に変えたりできるわけではありません。
母の財産は母のものです。
後見人は、母の財産を自分の都合で動かすのではなく、母の生活や利益を守るために管理する立場なのだと、改めて感じています。
収支予定表は、母の毎月のお金の流れを見える化する書類
収支予定表では、母の収入と支出を整理します。
母の収入は、主に年金です。
支出は、介護サービス、医療費、薬代、宅配弁当、日用品、おむつ関係、家の維持費などがあります。
母は要介護5で、ひとり暮らしです。
私が毎日そばにいられるわけではないので、ヘルパーさん、宅配弁当、見守りの仕組みに助けてもらいながら生活しています。
その分、毎月の支出もいろいろあります。
今までは「今月はこれくらいかかった」と家計簿のように見ていました。
でも収支予定表では、母の生活を続けるために、毎月どれくらい必要なのかを整理することになります。
通帳を見るときに気をつけたいこと
後見人になると、母のお金と私のお金をきちんと分けて管理する必要があります。
家族だからといって、母の口座から自由にお金を出していいわけではありません。
私も、これから通帳を確認するときは、次のことに気をつけようと思っています。
- 母の支出なのか、私の支出なのかを分ける
- 領収書や明細を残す
- 現金で払ったものもメモしておく
- 理由が分からない出金を作らない
- 大きなお金を動かす前に、家庭裁判所や専門家に確認する
介護をしていると、急な買い物や立て替えも出てきます。
でも、あとで自分が困らないためにも、母を守るためにも、お金の記録は残しておいた方がいいと思いました。
お金はどこまで正確に管理する?私が参与員さんに質問したこと
正直に言うと、母のお金の流れは、きれいに1本ではありません。
私の場合、母の普通預金から毎月1回、必要な金額をまとめて引き出しています。
そこから支払いをしたり、ヘルパーさんにお願いしている日用品や食料品の買い物用の財布に補充したりしています。
それとは別に、私のお金から出ているものもあります。
- 介護用品のレンタル費用(郵便局に行くのが大変なので、PayPayで送金)
- 歯科の診療代(私の口座から振込)
- 細々とした現金の立て替え
「これ、どうしたらいいんだろう」と思ったので、面談のときに参与員さんに直接質問してみました。
PayPayでの支払いについては、「請求書だけ保管しておいてください」とのことでした。
細かい現金の立て替えについては、「できるだけ…」という感じの反応でした。
あくまで私の受け取り方ですが、会社の経理のように1円単位で収支をピッタリ合わせることまでは、求められていないのかなと感じました。
ただし、これは私が面談で聞いた範囲の話です。
裁判所や担当者によって言われることは違うかもしれないので、気になる場合は面談や電話で直接確認するのが確実だと思います。
私が自分なりに決めたルールは、この3つです。
- 大きな金額の出金は、領収書を必ず残す
- PayPayや立て替え払いは、請求書や明細を捨てずに保管する
- 立て替えた分は、翌月の引き出しに上乗せして精算し、内訳をその日のうちにメモしておく
完璧な経理はできなくても、「あとから説明できる状態」にしておくことが大事なのかなと思っています。
後見人に選ばれても、すぐ何でもできるわけではない
後見人に選ばれたと聞くと、家族が親の代わりに何でも決められるように感じるかもしれません。
でも、実際はそうではないと思いました。
母の財産を調べる。
母の収入と支出を整理する。
家庭裁判所へ報告する。
必要な手続きは、母の利益になるかを考えながら進める。
後見人は、母の代わりに好きに決める人ではなく、母を守るために責任を持つ人なのだと感じています。
提出が間に合わないときは、事前に家庭裁判所へ連絡
財産の調査や資料集めが、1か月で終わらないこともあると思います。
その場合は、期限が来る前に、家庭裁判所へ連絡票を出して、期間を延ばしてもらえる仕組みがあります。
連絡票は、家庭裁判所のサイトからダウンロードできるA4・1枚の用紙です。
連絡票の書式は家庭裁判所ごとに違うので、「お住まいの都道府県名 家庭裁判所 連絡票」で検索すると見つかります。
事件番号と名前、間に合わない理由、いつごろ提出できそうかを書いて、郵送するだけ。費用は切手代だけです。
いちばん良くないのは、黙って期限に遅れることだそうです。
調べてみると、報告がないままだと、裁判所が弁護士などの専門家を調査人や後見監督人としてつける場合があるとのこと。
監督人がつくと、その報酬が本人の財産から毎月出ていくことになります。
親のお金を守るために後見人になったのに、連絡ひとつしなかったせいで親のお金が減っていくのは、もったいなさすぎます。
私も、もし間に合わなさそうだと感じたら、早めに家庭裁判所へ連絡するつもりです。
正式に就任して、いまやっていること
2026年7月4日、正式に母の成年後見人に就任しました。
提出期限の8月4日まで、あと1か月です。
いまは、届いた書類を読み直しながら、初回報告に必要な資料を集めています。
具体的には、通帳、介護費、宅配弁当、医療費、家に関する書類の整理です。
そして、母の生活に毎月いくら必要なのかを、もう一度きちんと見直しています。
後見人に選ばれたことで安心した部分もあります。
でも、母の家のこと、団地のこと、介護費のこと、これから考えることはまだたくさんあります。
一つずつ、母の生活を守るために進めていきます。
これから後見人になる人へ
私はまだ始まったばかりなので、偉そうなことは言えません。
でも、後見人に選ばれたあとにまず感じたのは、「早めに書類を整理しておいた方がいい」ということです。
通帳、年金、介護費、医療費、家の書類。
これらを一から探すのは、思ったより大変です。
特に、親が認知症になってからだと、本人に聞いても分からないことが増えます。
私も、もっと早く確認しておけばよかったと思うことがあります。
これから成年後見の申立てを考えている人、すでに選任の書類が届いた人は、まずは届いた書類をよく読んで、分からないところは家庭裁判所や専門家に確認するのが安心だと思います。
※この記事は、私に届いた書類と私自身の経験をもとに書いています。必要な書類、提出期限、手続きの流れは、家庭裁判所や本人の状況によって違います。実際の手続きは、必ずご自身に届いた書類や家庭裁判所の案内を確認してください。