要介護5・独居の母はエアコンを24時間つけっぱなし。冷風扇が1年も使えなかった話
要介護5で認知症の母は、現在も一人暮らしをしています。
母はもう、自分でエアコンのリモコンを操作できません。
暑くなったら冷房をつける。寒くなったら暖房をつける。室温に合わせて温度を変える。
今の母には、こうした操作が難しい状態です。
そのため、冷暖房が必要な時期は、エアコンを24時間つけたままにしています。
温度管理は、訪問時のヘルパーさんにお願いしています。
電気代は、ピーク時で月約1万5000円。決して安くはありません。
それでも、母の安全と私の負担を考えると、わが家はこれでいいと思っています。
そう思うようになった理由には、要介護2〜3の頃に、節電のために買った冷風扇を1年も使えなかった経験があります。
要介護2〜3の頃、節電のために冷風扇を購入した
母がまだ要介護2〜3だった頃、夏の電気代を少しでも節約したいと思い、冷風扇を購入しました。
その頃は、母も簡単な家電なら使えると思っていました。
エアコンより電気代を抑えながら涼しく過ごせるなら、母にも私にも助かる。
そう考えて買ったものです。
ところが、母の認知症は、私が思っていた以上の速さで進みました。
新しく購入した冷風扇のリモコン操作ができなくなり、結局、1年も使えませんでした。
買ったときには使えると思っていた家電が、あっという間に使えなくなったのです。
冷風扇そのものが悪いわけではありません。
自分で操作や給水ができる人なら、便利に使えることもあると思います。
しかし、母の場合は、電源や風量を自分で調整できなくなりました。独居なので、家族が毎回そばで操作や給水をすることもできません。
節電のために買った冷風扇でしたが、母の生活には合わなくなりました。
認知症の進行は、家電を買ったときの想定より早かった
冷風扇を購入したとき、私は母が1年も使えなくなるとは思っていませんでした。
「今使えているから、来年も使えるだろう」
どこかで、そう考えていたのだと思います。
しかし、認知症は少しずつ進むだけとは限りません。
昨日までできていたことが、いつの間にかできなくなることがあります。
母も、要介護2から要介護3、そして要介護5へと状態が変わる中で、家電の操作が難しくなっていきました。
新しい家電は、今まで使っていたものとボタンの位置や操作方法が違います。
家族から見れば簡単なリモコンでも、認知症の母にとっては、覚え直さなければならない新しい道具でした。
認知症の疑いがある親に、新しい操作が必要な家電はおすすめしない
この経験から、認知症の疑いがある親に、本人が新しい操作を覚えなければならない家電を買うときは、慎重に考えてほしいと思っています。
すべての新しい家電が悪いわけではありません。
家族が遠隔操作できるものや、自動で運転できるものなら、介護の助けになる場合もあります。
ただ、本人が毎回リモコンを操作したり、給水や手入れをしたりすることが前提の家電は、購入時には使えても、数か月後には使えなくなる可能性があります。
わが家の冷風扇が、まさにそうでした。
「今、この家電を使えるか」だけではなく、「認知症が進んでも使い続けられるか」まで考える必要があったと感じています。
現在はエアコンを24時間つけたままにしている
現在、冷暖房が必要な時期は、母の家のエアコンを24時間つけたままにしています。
主な時期は、次のとおりです。
- 冷房が必要になる6月から9月ごろ
- 暖房が必要になる11月から4月ごろ
もちろん、その年の気温によって使用期間は変わります。
電源をつけたままにすることで、母が自分でリモコンを操作する必要がありません。
一度消してしまうと、母は自分でもう一度つけることができません。
それなら、必要な時期は最初から電源を切らない。
これが、今の母にとって一番安全で、家族にとっても管理しやすい方法です。
厚生労働省によると、熱中症患者のおよそ半数は65歳以上の高齢者です。
高齢になると、暑さや水分不足を感じる機能や、体温を調節する機能が低下するとされています。
母自身の「暑い」という感覚だけに任せることはできません。
温度管理は訪問時のヘルパーさんに任せている
エアコンの電源は24時間つけたままですが、まったく温度管理をしていないわけではありません。
温度の調整は、母の家を訪問してくれるヘルパーさんにお願いしています。
ヘルパーさんが室温や母の様子を確認しながら、必要に応じて温度を調整してくれます。
母自身はリモコンを操作しなくていい。
私は、エアコンの確認だけのために何度も母の家へ行かなくていい。
家族だけですべてを管理しようとせず、訪問介護の中で確認してもらえることが、母の独居生活を支える大きな助けになっています。
現在のヘルパーさんの利用時間や、要介護5での在宅介護の様子は、こちらの記事にまとめています。
【要介護5】ヘルパーは1日何時間?実際の利用時間と在宅介護の現実
冷暖房が必要な月の電気代は約1万5000円
7月から9月、12月から4月ごろの冷暖房が必要なピーク時は、母の家の電気代が月約1万5000円になります。
一方、冷暖房が必要ない日があり、エアコンを一日中消せる月は、電気代が約8000円のときもあります。
差額だけを見ると、約7000円です。
ただし、これはエアコンだけの電気代ではありません。
冷蔵庫や照明なども含めた、母の家全体の電気料金です。
月によって気温や使用日数、ほかの家電の使用量も違うため、差額のすべてがエアコン代とは言い切れません。
それでも、エアコンを24時間使う時期は、電気代が上がることを実感しています。
月1万5000円でも、わが家はこれでいい
月1万5000円の電気代は、決して安くありません。
介護には、紙おむつや尿取りパッド、食費、介護サービスなど、さまざまなお金がかかります。
できることなら、電気代も節約したいです。
実際に、要介護2〜3の頃には、少しでも電気代を抑えようとして冷風扇を購入しました。
しかし、母が操作できなくなり、1年も使えませんでした。
節約のために新しい家電を買っても、本人が使えなければ意味がありません。
今は、冷暖房が必要な時期はエアコンをつけたままにして、温度調整はヘルパーさんに任せる。
多少電気代がかかっても、この方法が一番現実的だと思っています。
母の安全と、私が何度も確認しに行く負担を減らすための費用だと考えています。
認知症の親に家電を買う前に確認してほしいこと
冷風扇を1年も使えなかった経験から、認知症の疑いがある親に家電を買う前に、次のことを確認してほしいと思います。
- 本人が新しい操作を覚えなくても使えるか
- これまで使っていた家電と操作方法が大きく変わらないか
- 認知症が進んでも使い続けられるか
- 給水や掃除などの手入れを誰がするのか
- 本人が使えなくなった場合、家族が管理できるか
- 自動運転や遠隔操作ができるか
- 購入前にヘルパーさんやケアマネジャーへ相談したか
- 本当に新しい家電を買う必要があるか
家電を買うこと自体が悪いわけではありません。
大切なのは、本人が使えることを前提に選ばないことです。
本人が操作できなくなっても、安全に使い続けられるか。
家族や支援者が無理なく管理できるか。
そこまで考えてから購入した方が、使えない家電を増やさずに済むと思います。
まとめ。節約より、認知症が進んでも続けられる方法を選んだ
要介護5で認知症の母は、自分でエアコンのリモコンを操作できません。
そのため、冷暖房が必要な時期は、エアコンを24時間つけたままにしています。
温度調整は、訪問時のヘルパーさんにお願いしています。
ピーク時の電気代は、母の家全体で月約1万5000円です。
エアコンを一日中使わない日がある月は約8000円なので、負担が増えていることは確かです。
それでも、母が熱中症になったり、寒い部屋で過ごしたりする心配を減らせるなら、わが家はこれでいいと思っています。
要介護2〜3の頃に買った冷風扇は、認知症が進んでリモコンを使えなくなり、1年も使えませんでした。
この経験から、認知症の疑いがある人に、本人が新しい操作を覚えなければならない家電を安易に買うことはおすすめしません。
目先の電気代だけではなく、認知症が進んだ後も使い続けられるかを考える。
私の失敗が、これから親のために家電を買おうとしている方の参考になればと思います。