前回の記事で、私はみーちゃんが自閉症と診断された頃の自分に向けて書きました。

重度知的障害・自閉症の娘が23歳になりました。将来が見えなくて泣いていた、あの頃の私へ

あの頃の私は、「大人になったみーちゃん」をまったく想像できませんでした。

これからどうしたらいいのか。
この子を育てて、生きていけるのか。
将来が何も見えなくて、ただ怖かったことを覚えています。

でも、23歳になった今のみーちゃんは、平日は生活介護事業所へ通い、週2回ショートステイを利用しながら暮らしています。

前回の記事の中で、私はひとつ、お金の不安にも触れました。

みーちゃんが小学生の頃、地域の障がい児のお母さんたちの集まりで、

「障害年金だけでは、施設に入ると赤字になる」

と聞いたことがあります。

その言葉を、私は長い間ずっと覚えていました。

将来、みーちゃんが親元を離れて施設で暮らすことになったとき、本当に障害年金だけで足りるのか。

みーちゃんは現在、障害基礎年金1級を受けています。

今回は、前回の記事の続きとして、障害者支援施設やグループホームにかかる費用、補足給付、そして親亡き後のお金の管理について、今わかる範囲で調べてみました。

まず結論。みーちゃんの場合、基本的な施設費用は障害年金内でおさまる可能性が高い

最初に結論から書きます。

みーちゃんは、障害基礎年金1級を受けています。

本人に大きな課税収入がなく、配偶者もいない場合、障害福祉サービスでは「低所得」に該当する可能性が高いです。

その場合、障害者支援施設に入所したときの障害福祉サービスの自己負担は0円になり、食費や光熱水費についても補足給付の対象になる可能性があります。

つまり、みーちゃんの場合、制度上は、基本的な施設費用は障害基礎年金1級の範囲内でおさまる可能性が高いとわかりました。

ただし、これは「何もかも無料」という意味ではありません。

日用品、衣類、散髪代、医療費、本人の楽しみのお金などは別に必要です。

だから私は、

「障害年金があるから完全に安心」

ではなく、

「基本的な施設費用は年金内でおさまる可能性が高い。でも、生活のゆとりや親亡き後のお金の管理は別で考える必要がある」

と感じました。

障害基礎年金1級はいくら?

日本年金機構によると、令和8年4月分からの障害基礎年金は、昭和31年4月2日以後生まれの場合、

1級:年額1,059,125円
2級:年額847,300円

です。

月に直すと、おおよそ、

1級:約88,260円
2級:約70,608円

になります。

みーちゃんは障害基礎年金1級なので、月に約88,000円ほどを受けている計算になります。

この金額だけを見ると、「施設に入ったら足りるのかな」と不安になります。

でも、障害福祉サービスには、所得に応じた自己負担の上限や、食費・光熱水費を軽くする仕組みがあります。

障害福祉サービスの自己負担は、低所得なら0円になる

施設に入所すると、ものすごく高い利用料がかかるのではないか。

私はそこが一番不安でした。

でも、障害福祉サービスの自己負担には月ごとの上限があります。

市町村民税非課税世帯、つまり低所得に該当する場合、障害福祉サービスの自己負担上限は0円です。

ここで大事なのは、18歳以上の障がい者の場合、所得を見る世帯の範囲は基本的に「本人と配偶者」だということです。

親の収入ではなく、本人と配偶者で見ます。

みーちゃんは23歳で、配偶者はいません。

本人に大きな課税収入がない場合は、低所得に該当する可能性が高いです。

そのため、障害者支援施設に入所した場合、サービス利用料そのものは0円になる可能性があります。

でも、食費・光熱水費はかかる

ここを勘違いしてはいけないと思いました。

自己負担0円というのは、障害福祉サービスの利用料についてです。

施設で生活する以上、食費や光熱水費などの実費はかかります。

厚生労働省の説明では、入所施設の食費・光熱水費は、54,000円を基準として設定されるとあります。

ただし、低所得の人には補足給付という仕組みがあります。

食費や光熱水費を払っても、手元に一定額が残るように調整される制度です。

低所得の20歳以上の入所者については、食費・光熱水費を払っても、少なくとも手元に25,000円が残るように補足給付が行われるとされています。

さらに、障害基礎年金1級の人は、計算上、その他生活費に3,000円加算される説明もありました。

ここを見て、私は少し安心しました。

みーちゃんの場合、障害基礎年金1級を受けていて、本人に大きな課税収入がなく、配偶者もいません。

この条件なら、補足給付の対象になる可能性は高いと思います。

ただし、実際に毎月いくら払うのか、手元にいくら残るのかは、入所する施設や市区町村の判断で変わります。

だから最終的には、施設を検討するときに、相談支援専門員さんや役所に確認が必要です。

グループホームの場合は、もう少し注意が必要

今回調べていて、障害者支援施設とグループホームは分けて考えた方がいいと思いました。

障害者支援施設に入所する場合と、グループホームで暮らす場合では、かかるお金の中身が少し違います。

グループホームでは、家賃、食費、光熱費、日用品代などがかかります。

低所得の人には、家賃について月1万円を上限に補足給付があります。

でも、家賃が高い地域や、食費・日用品代が高いホームだと、障害基礎年金だけでは余裕が少ない可能性があります。

グループホームは、施設ごとの差が大きいと思います。

だから将来考えるときは、

障害者支援施設なのか
グループホームなのか
日中は生活介護に通うのか
夜間の支援はどこまであるのか

ここを分けて確認した方がいいと思いました。

特別障害者手当は、施設入所後は基本的に受けられない

重度の障がいがある人の場合、特別障害者手当を受けている人もいます。

特別障害者手当は、日常生活で常時特別な介護が必要な、在宅の20歳以上の人を対象にした手当です。

令和8年4月からの月額は30,450円です。

在宅で生活している間は、とても大きい手当だと思います。

ただし、ここで大事なのは、特別障害者手当は「在宅で生活している人」のための手当だということです。

そのため、障害者支援施設などに入所した場合は、原則として特別障害者手当は受けられなくなります。

一方で、施設入所後は、低所得の人に対して食費や光熱水費の負担を軽くする補足給付があります。

つまり、施設入所後のお金は、

障害基礎年金

補足給付

本人の貯金や親が残すお金

を中心に考える方が現実的です。

特別障害者手当は、在宅で暮らしている間の支えとして考え、施設入所後の収入としては見込まない方がいいと思いました。

なお、グループホームは障害者支援施設への入所とは扱いが違う場合があります。

実際に利用を考えるときは、市区町村や相談支援専門員さんに確認が必要です。

親亡き後、お金の管理を誰がするのか

施設費用のことを調べて、少し安心した部分はあります。

みーちゃんの場合、障害基礎年金1級があり、低所得に該当する可能性が高い。

障害者支援施設に入所する場合、基本的な費用は年金内でおさまる可能性が高い。

でも、私の不安はそこだけではありません。

親である私がいなくなったあと、みーちゃんのお金を誰が管理するのか。

手続きは誰がするのか。

施設とのやりとりは誰がするのか。

今のところ、私がいなくなったあとのことは、みーちゃんの双子の姉に頼む予定です。

でも、姉にも姉の人生があります。

全部を背負わせるのは違うと思っています。

お金の管理、手続き、施設との連絡、緊急時の判断。

それを姉ひとりに任せるのではなく、相談支援専門員さん、施設、行政、必要なら成年後見制度なども含めて、どう支える形にするのかを考えておきたいです。

親亡き後に必要なのは、お金だけではない。

「誰が、どこまで、どう関わるのか」

そこまで決めておかないといけないのだと思いました。

今回調べて感じたこと

今回調べる前、私はずっと不安でした。

みーちゃんが将来施設に入ることになったら、預貯金削っていかないといけないのではないか。

私がたくさんお金を残せなかったら、みーちゃんは困るのではないか。

そんなふうに思っていました。

でも、制度を調べてみると、みーちゃんのように障害基礎年金1級を受けていて、本人が低所得に該当する場合、基本的な施設費用は年金内でおさまる可能性が高いとわかりました。

これは、親として少し安心できる情報でした。

でも同時に、これで全部解決とは思いません。

日用品も必要です。
衣類も必要です。
散髪代も医療費もかかります。
本人が好きなものを買ったり、少し楽しむお金も必要です。

そして何より、親がいなくなったあと、そのお金を誰が管理するのかという問題があります。

みーちゃんの双子の姉に頼む予定ではありますが、姉だけに負担が偏らない仕組みを作っておきたいです。

これから確認したいこと

私がこれから確認したいのは、このあたりです。

障害者支援施設に入所した場合、実際に毎月いくらかかるのか
補足給付を受けた場合、毎月いくら手元に残るのか
グループホームの場合、家賃・食費・光熱費はいくらかかるのか
日用品や医療費など、年金以外に必要なお金はいくらか
親亡き後に、姉ひとりに負担が偏らない仕組みを作れるか

制度の話は難しいです。

でも、わからないまま不安でいるより、ひとつずつ数字で見た方が、少しだけ前に進める気がしました。

みーちゃんの将来を考えることは、正直こわいです。

でも、こわいからこそ、今のうちに調べておきたい。

私が認知症になってからでは遅い。

これは、実母の介護で身にしみて感じています。

だからこそ、親である私が元気なうちに、できる準備を少しずつしていきたいと思いました。


参考にした公式情報

日本年金機構
障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/seido/shougainenkin/jukyu-yoken/20150514.html

厚生労働省
障害者の利用者負担
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/service/hutan1.html

厚生労働省
特別障害者手当について
https://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/jidou/tokubetsu.html

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よかてん
要介護5の母の在宅介護と発語のない最重度知的障がいの自閉症の娘(みーちゃん:22歳)の支援をしながら暮らす、シングルマザーです。 在宅介護と障がいのある子どもの支援は、日々予想できない出来事の連続です。 母の徘徊、通所の不安定さ、急な休み、家事との両立、制度の複雑さ…… その中で私自身が実際に困ったこと、助けられたこと、工夫して乗り越えてきたことを記録し、同じ悩みを抱える方の助けになればと思い、このブログを始めました。 このブログが、だれかの「今日の悩み」を少しでも軽くし、安心して介護や育児に向き合えるきっかけになれば幸いです。 私自身は、3年程お休みしていた訪問介護の仕事を再開しました。 お問い合わせやご相談があれば、どうぞお気軽にご連絡ください。