特養見学してきました。看取りはどうなる?特養出身ケアマネの助言
10月の初め、自宅近くの特養(特別養護老人ホーム)へ見学に行きました。
スタッフさんの対応も、部屋の明るさも、とても良い施設でした。それでも、悩んだ末に母の介護は在宅を続けることにしました。
決め手になったのは、特養で働いた経験があるケアマネさんの助言です。
この記事でわかること
- 特養の見学で、実際に見たこと・聞いたこと
- 見学先が「看取りをしていない」と知ったときのこと
- ケアマネさんが教えてくれた、特養のメリットとデメリット
- 在宅か特養か、最後は何で決めたか
見学に行ったきっかけ
知り合いのお母さんがこの特養に入所していて、「いいよ〜」と聞いていました。
以前ケアマネさんから順番待ちの案内があった特養とは、別の施設です。そのときの話はこちらにまとめています。
【認知症】特養の現実。ケアマネから聞いた待機・費用・生活の本当のところ
母はいま要介護5で、ヘルパーさんとデイサービスを使いながら在宅で暮らしています。この先、在宅介護が難しくなったときのために、私の自宅から近い施設に見学を予約しました。
まずは電話で予約、1週間後に見学決定
見学の予約で電話をしたとき、出てくださったのは責任者の方でした。
その対応がとても感じが良かったんです。
見学当日も職員さんは皆さん対応が良く、「こんな職員さんなら任せても安心だな」と感じました。
施設の中で見たこと
| 見たところ | 見学先の様子 |
|---|---|
| 建物 | 決して新しくはないけど、清潔感がある |
| 利用者さんの部屋 | 窓が大きくて日当たりが良い。窓から見える景色もきれい |
| 見学した部屋の仕切り | 木製の壁で仕切られていて、壁の上の方に半透明のガラスが入っている。開放感もあり、プライベート感もある。 |
| 午前中の過ごし方 | 車椅子で食堂のテレビを観ている人、部屋でくつろいでいる人、寝ている人、入浴中の人。みんなゆったり過ごしていた |
| 職員さん | 電話の段階から当日まで、終始対応が良かった |
母の家は日当たりが悪く日中も電気が必要なので、これだけ部屋が明るくて大きな窓から田舎の景色を見られるだけでも素晴らしいと感じました。
部屋は、カーテンで仕切る病院の相部屋のようなものをイメージしていましたが、最近はちゃんとプライベート感あるお部屋が多いのも見学して気づいたことです。
見学した特養は、看取りなし
この特養では看取りをしていません。医療が必要になると提携している病院に入院になり、最期はその病院になるとのことでした。
特養の看取り対応は、施設ごとに違います。見学するときは、最期をどこで迎えることになるのかを聞いておくと安心です。
定員と費用の話
- 定員60名で、見学時は満床
- 費用の説明あり
見学のときに、特養の入所は点数で決まり、申し込んだ順番とは関係ないと説明を受けました。点数には要介護度などが関わります。
母のように要介護5で独居、重度の認知症があって歩けない場合は点数がかなり高く、優先度も高いそうです。
特養は原則として要介護3以上の人が対象です。多くの自治体では、要介護度のほかに、介護している家族の状況や在宅サービスの使い方なども点数にしています。点数の付け方は自治体ごとに違うので、くわしくはケアマネさんや施設に確認してください。
点数の付け方の一例として、東京都新宿区の基準(100点満点)はこうなっています。
| 項目 | 最高点 |
|---|---|
| 要介護度 | 50点(要介護5で50点) |
| 介護者の状況(介護者がいない、介護が難しいなど) | 20点 |
| 直近3か月の在宅サービスの利用状況 | 10点 |
| 本人の年齢 | 5点 |
| 認知症の程度 | 5点 |
| 在宅介護の期間 | 5点 |
| 住宅環境 | 5点 |
施設の料金表をもとに、要介護5の場合の月額を表にしました(ユニット型・1割負担・30日の場合)。母は個室でなくていいと伝えたので、この料金表で説明を受けました。
| 所得段階 | 介護サービス費 | 食費 | 居住費 | 合計 |
|---|---|---|---|---|
| 第1段階 | 15,000円 | 9,000円 | 26,400円 | 50,400円 |
| 第2段階 | 15,000円 | 11,700円 | 26,400円 | 53,100円 |
| 第3段階① | 24,600円 | 20,400円 | 41,100円 | 86,100円 |
| 第3段階② | 24,600円 | 42,600円 | 44,100円 | 111,300円 |
| 第4段階 | 38,616円 | 53,400円 | 70,500円 | 162,516円 |
母は第3段階②なので、月111,300円です。
第1〜第3段階の食費・居住費は国が上限を決めているので、同じ部屋の区分ならほかの特養でも同じ金額です。第4段階の人は施設ごとに金額が違うので、見学のときに料金表をもらって確認してください。
この施設には別に個室もあります。個室に入っている知り合いのお母さんは、個室料として月1万円ほど上乗せになっていると聞きました。
このほかに、預り金管理が月3,000円、電気代が1日50円〜かかります。医療費や娯楽、散髪などを含めて、月1万円あれば足りると説明がありました。
所得段階の決まり方や、2026年8月に変わった金額はこちらにまとめています。
負担限度額は2026年8月に改定|段階別の新金額と対象者まとめ
費用を聞いたときは、細々した日用品や朝食の買い物がなくなる分、特養の方が少し安くなると思っていました。
でも、母の年金と比べてみると、そうではありませんでした。
母の年金は月114,000円ほどです。特養の料金111,300円に、医療費や娯楽、散髪などの約1万円を足すと、年金だけでは足りず、毎月貯金から持ち出しになります。
在宅でも貯金は少しずつ減っていますが、減り方は特養の方が大きくなります。
ケアマネさんに相談したら「お母さんは自宅でいい」
見学から数日後、ケアマネさんに感想を報告しました。特養がとても良かったので、自宅か特養かで迷っていると正直に話しました。
ケアマネさんの答えはこうでした。
- お母さんは今、自宅で問題なく暮らせている
- ヘルパーさんがいる時間は楽しそうにしている
- この先医療が必要になれば、病院は紹介できる
- 家族(私)がいるから、お母さんは自宅でいいと思う
ケアマネさんが教えてくれた、特養のメリットとデメリット
うちのケアマネさんは、以前特養で働いていた方です。その経験から、こんな話をしてくれました。
| 内容 | |
|---|---|
| メリット | 24時間スタッフがいる安心感 |
| デメリット | 一人ひとりに向き合える時間が少なくなりがち |
ケアマネさんによると、特養は人員が少ないため、介護職員はてきぱき動かないと仕事が回りません。利用者さんが何か訴えようとしても、一人ひとりに向き合える時間がどうしても少なくなります。そうなると、弱るのも早いそうです。
これはケアマネさんが働いた施設での経験からの話で、すべての特養がそうというわけではありません。
一方で、家族が遠方に住んでいたり、家庭の事情でどうしても介護が難しかったりする人は、特養がいいとも話していました。
最終的な判断は、家族の環境次第。これがケアマネさんの考えでした。
悩んだ末、在宅を続けることに
特養は私の自宅から近いので、そこはありがたかったです。
でも、医療が必要になったときに病院を紹介してもらえるなら、それまでは自宅で頑張ってみようと思いました。
今回は申し込みはしていません。
いまの母の在宅介護の体制は、こちらにまとめています。
要介護5のヘルパー利用時間はどのくらい?支給限度額と在宅介護のリアルな現実
よかてんのひとりごと
正直に書くと、私は特養でも在宅でも、どちらでもいいと思っています。母も、たぶんですが、特養に入ってももうそこまでわからないのではと思います。
在宅に決めたのは、長年お世話になっているケアマネさんが「在宅の方が」と言ったからです。「そのケアマネさんが言うなら」。これが一番の本音。
ちなみに、勤務先の人に「母は要介護5で独居」と話すと驚かれます。介護業界の人でも驚きます。
「要介護5で独居の母を介護している、重度知的障がいの娘がいるシンママ」
並べてみると、なかなかのパワーワード(笑)
今日も素敵な一日を♪