先日、私が訪問介護で入っていた利用者さんが老衰で亡くなりました。

亡くなる1ヶ月前から、日中は朝・昼・夕方に各1時間ずつ訪問看護とヘルパーが入り、夜から朝までは別居しているご家族が泊まりで見守りに来られていました。

最期まで、ご自宅で過ごされました。ご本人にとっても、ご家族にとっても、いい形だったと思います。

でも、その現場に入りながら、私はずっと母のことを考えていました。

「母がこうなったとき、私は夜、母の家に泊まれるだろうか」

答えは、絶対に無理です。

うちには、発語なし・重度の自閉症の娘のみーちゃんがいます。みーちゃんを置いて、私が夜に家を空けることはできません。

この記事では、「在宅はいつまで続けられるのか」を要介護5の母のケアマネさんに相談した内容と、その回答をそのまま書きます。あわせて、特養の入所要件や申し込みの仕組みなど、相談したあとに私が調べ直したことも整理しました。

在宅介護が続けられなくなるのはどんなときなのか。そのとき何が起きて、どう対応できるのか。同じように親の在宅介護の先が見えずにいる方に、ひとつの実例として読んでもらえたらと思います。


今の母の状況

母は要介護5、認知症です。私とは別居していて、在宅で独居です。

今のサービスは、こうなっています。

  • 訪問介護:1日3回
  • 訪問診療:月1回
  • 訪問歯科:月1回
  • 訪問看護:月1回
  • 訪問薬局:月1回

医療は月1回のペースで回っています。今のところ、大きな問題は起きていません。


「夜の見守りができない」という問題に気づいた瞬間

亡くなった利用者さんのケースを見て、私が怖くなったのはここでした。

「終末期に24時間の見守りが必要になったとき、うちには夜を担当できる人がいない」

日中は、細切れでもサービスを組めばなんとかなります。でも夜は違います。訪問介護は夜間対応もありますが、ずっとそばにいるわけではありません。

あの利用者さんのお宅で、実際に夜を支えていたのはご家族でした。

だから私はケアマネさんに、こう相談しました。

「夜の見守りが必要になった時のことを考えて、近所の特養に申し込みだけしておこうかと考えているのですが、どうでしょう?」


ケアマネさんの答え

ケアマネさんの答えは、順を追ったものでした。

1.今は内科的に問題がないので、自宅で過ごせる状態

まずここを確認されました。今の母は、医療的に不安定な状態ではありません。だから在宅を続けられている、と。

2.今後の可能性として、嚥下機能の低下から誤嚥性肺炎を起こすことは考えられる

「起こる」ではなく「起こす可能性が出てくるかもしれない」という言い方でした。断定はされていません。

3.そのときは入院になる可能性が高い

誤嚥性肺炎になれば、まず病院です。自宅で24時間見守りながら、という話にはならない。

4.入院して、退院の話が出たときに24時間見守りが必要な状態なら、緊急で施設に入れてもらうなどの対応はできる

ここが、私がいちばん聞きたかった部分でした。

夜の見守りができないまま自宅に戻される、という展開にはならないということです。


この回答で、私の中で変わったこと

相談する前の私は、こう思っていました。

「今のうちに特養を申し込んでおかないと、いざというとき詰む」

相談したあとは、こうなりました。

「詰む展開は、たぶん来ない。ただし、来る日は予測できない」

油断はできませんが、少し安心しました。


相談したあとに調べ直した「特養の基本」

ケアマネさんの話を聞いて、自分の知識が古くないか確認したくなりました。仕事で介護に関わっていても、施設入所の実務は担当外なので、あやふやなところがあります。

特養に入れるのは原則「要介護3以上」

2015年4月1日から、特別養護老人ホームに入所できるのは原則として要介護3・4・5の方になりました。要介護1・2の方は、「特例入所」の要件に該当する場合に限られます。

母は要介護5なので、要件そのものは満たしています。

申し込み順ではなく、必要度で決まる

私も昔は、早く申し込んだ人から順に入れるものだと思っていました。

そうではありません。都道府県ごとに「入所選考指針」が定められていて、要介護度や家庭の状況などを点数化し、必要度の高い人から入所が決まる仕組みになっています。

さらに調べていて、手が止まったことがあります。

市区町村によっては、都道府県の指針に独自の基準を追加しているところがあります。中には、ダブルケアや介護離職の抑制を評価点に反映させている自治体もありました。

ダブルケア。私のことです。

私は自分の状況を「特殊な事情だから、わかってもらえないだろう」と思い込んでいました。でも自治体の指針に、その言葉が入っている。制度の側は、そういう家庭があることを想定している。

〈要確認:指針は自治体ごとに違います。適用されるのは母の住所地の保険者の指針です。他市の特養に申し込む場合は扱いが変わることもあります。実際に申し込む前に、母の住所地の市役所か地域包括支援センターで最新のものを確認する必要があります〉

申込書は原則として本人か家族が書くものですが、ケアマネジャーに助言や代筆を頼んでもいいことになっています。

だとしたら、「夜の見守りができる家族がいない」というのは、遠慮せずに書くべき事情です。書かなければ、点数になりません。

待機している人は減っている

厚生労働省が2025年12月に公表した調査(2025年4月1日時点)では、要介護3以上の特養入所申込者は全国で20.6万人でした。うち在宅の方が8.6万人です。

前回の2022年調査では25.3万人だったので、3年で4.7万人、18.4%減っています。要介護度別に見ると、要介護5の申込者は4.3万人です。

ただし、この数字には長く名簿に載ったままの方も含まれていて、全員が今すぐ入所を必要としているわけではない、という注意書きがついています。減った理由については、この発表資料の中では触れられていませんでした。

地域差も大きく、要介護3以上と認定された人のうち何%が申し込んでいるかは、全国平均で8.6%。都道府県によって4%台から20%台まで開きがあります。

出典:厚生労働省「特別養護老人ホームの入所申込者の状況(令和7年度)」(2025年4月1日時点/2025年12月25日公表)


私が今からやっておくこと

相談して「今は様子見で問題ない」と言われましたが、今後のために動く予定です。

1.近所の特養を見学して契約

まず見学の予約を取ります。場所も雰囲気も知らないまま、慌てて決めることになるのは避けたい。良ければ申し込み。

2.申込書に書くべき事情を言語化しておく

「母は独居で、私は別居 ・私に重度障がいの子どもがいるため、夜間に泊まりに行けない」

必ず伝えないと行けない内容です。今のうちに文章にしておきます。

↓参考記事。お時間ある時に読んでいただけると嬉しいです。

在宅介護に見守りカメラは必要?要介護5の母を支える私が感じたメリットと注意点


よかてんのひとりごと

今月も、私が住む団地の募集がありました。母名義で応募しました。

倍率が高いので、期待はしていません。

それに、もし当選しても、母の家が売れないと入居できません。

私が母の後見人になっても、母の自宅は簡単には売れないのです。売却するには、よほどの理由がいります。たとえば預金がなくて施設に入れない、とか。その理由を裁判所に出して、許可が下りてはじめて売却できます。

おまけに母の家は、売るのに時間がかかりそうです。

母を私の家の近くに引っ越させて、最後まで看取る。

その夢は、あきらめる方向になりそうです。

ABOUT ME
よかてん
要介護5の母の在宅介護と発語のない最重度知的障がいの自閉症の娘(みーちゃん:22歳)の支援をしながら暮らす、シングルマザーです。 在宅介護と障がいのある子どもの支援は、日々予想できない出来事の連続です。 母の徘徊、通所の不安定さ、急な休み、家事との両立、制度の複雑さ…… その中で私自身が実際に困ったこと、助けられたこと、工夫して乗り越えてきたことを記録し、同じ悩みを抱える方の助けになればと思い、このブログを始めました。 このブログが、だれかの「今日の悩み」を少しでも軽くし、安心して介護や育児に向き合えるきっかけになれば幸いです。 私自身は、3年程お休みしていた訪問介護の仕事を再開しました。 お問い合わせやご相談があれば、どうぞお気軽にご連絡ください。