【発語なし自閉症】視覚支援は「現物提示」から始まった。写真カードより実物が伝わった10年の記録
「写真カードを試してみたけど、全然伝わらない」と悩んでいませんか。
この記事では、発語なし・重度知的障がい自閉症のみーちゃんの視覚支援が現物提示から始まった経緯と、22歳の今でも実物が一番伝わる理由をまとめます。
写真カードがうまくいかず、現物提示から始めた
みーちゃんが4歳の頃、PECSの療育に通った1年間、写真カードで伝える練習を続けましたが、なかなか理解が進みませんでした。
そこで最初の視覚支援は「現物提示」から始めることにしました。
- トイレに誘うとき → オムツ
- お風呂のとき → パジャマ
- ごはんのとき → お茶碗
- おやつのとき → 専用のお皿
- ドライブのとき → 車のカギ
- 散歩のとき → 靴
- 着替えのとき → 服
行動に直結する「本物」を見せながら伝えていきました。
現物提示で理解できるようになるまで約10年かかった
最初のころは現物を見せても「……?」という表情ばかりでした。それでも根気よく続けていくうちに、少しずつ反応が変わっていきました。
発達が特に遅いみーちゃんの場合、現物提示で行動できるようになるまでに約10年かかりました。
現物提示と声かけを続けた結果
研究では視覚支援は「現物 → 写真 → 絵カード → 文字 → 言葉」の順で進むとされています。ただみーちゃんには「現物」から入る方が合っていました。
現物提示と同時に声かけを続けたことで、ごはん・お風呂・お出かけなど毎日の行動は今では言葉だけでも理解できるようになりました。
ただし写真カードへの移行は難しく、22歳の今も絵より実物の方が理解しやすい状況です。
今のみーちゃんの「現物提示」
生活動作は言葉で理解できるようになりましたが、一日のスケジュールは「かばんの色」で判断しています。
- ピンクのスポーツバッグ → 通所の日
- 水色のスポーツバッグ → ショートステイの日
- 黒の斜めがけバッグ → お出かけの日
おやつを選ぶときも「どっちがいい?」と現物を見せて選んでもらいます。カードより早く、確実に伝わります。
自分で選ぶ力が育ってきた
コンビニで「好きなの選んでいいよ」と伝えると、みーちゃんはしっかり「好き」を選びます。
お菓子なら「じゃがりこ」や「ポテトチップス」。最近は冷凍フルーツの棚で「いちご」を取ることもあります。ときどき辛い麺を選んで後悔していることもありますが(笑)、「自分で決める」体験が増えてきたのは大きな変化です。
まとめ
- 写真カードがうまくいかない場合、現物提示から始めるのも立派な視覚支援
- みーちゃんは現物提示で理解できるようになるまでに約10年かかった
- 現物提示と声かけを同時に続けることで、言葉だけでの理解につながった
- 22歳の今もかばんの色・実物提示が一番伝わりやすい
- 支援の順序に正解はない。その子の「理解の入口」を探すことが大切
焦らず、人と比べず、笑いながら続けていけば、その子なりの理解の形がちゃんと見えてきます。
よかてんのひとりごと
「現物を見せてもぽかーん」だった4歳のみーちゃんが、コンビニでいちごを選ぶようになるとは思っていませんでした。
10年かかっても、積み重ねはちゃんと形になります。あの頃の私に教えてあげたい。
関連記事
- 【自閉症の視覚支援】数字は読めないのに数字に惹かれるみーちゃん。くもんのスタディクロックが生活のガイドになった話
- 【発語なし自閉症】トイレカードを拒否した娘。手話サインに切り替えた理由
- 発語なしの娘みーちゃん、23歳の今。言葉はなくても伝わっていること、難しいこと